格付け大手フィッチがスペインの格付けを引き下げ
先週末の金曜深夜(29日午前1時37分頃)大手格付け会社のフィッチが、スペインの長期格付けを「AAA」から一段階引き下げ、「AA+」とすると発表しました。この発表を受けてユーロは大きく売られました。また、リスク回避的な動きになってNYダウが100ドル超えの下落、経済指標が少し弱かったことも相まって米10年債利回りが低下しました。
しかしながら、スペインの格付けがこれまで最上級の「AAA」だったことや下げ幅が一段階だけだったこと、今後の見通しが「安定的」だったことから影響は限定的でした。FXのマーケットではユーロドルの軟調な動きはその後も続いたものの、クロス円は週明け東京時間には上記格付け発表時のレートを上回る水準まで上昇しました。
ECB(欧州中銀)金融安定報告書を公表
5月31日、ECB(欧州中銀)が金融安定報告書を公表しました。この中で「ユーロ圏の銀行は一段の回復力を示し、大手銀行グループは危機前の水準を上回る水準に資本を回復することができた」と楽観的な見解を示す一方、「金融危機の影響で2010年〜2011年にユーロ圏の銀行が計上する追加評価損が1,950億ユーロ(2,390億ドル)に達する可能性があり、実体経済に大きなローン損失リスクが存在、債券発行の環境が一段と厳しさを増していることが向かい風となる可能性がある」とし、“ユーロ圏の銀行が新たなリスクに直面する”ことを指摘しました。
発表が欧州市場の引け後だったこと、ロンドン・NY市場が休場だったことから、当日の反応はそれほどでもありませんでした。しかしながら、6月1日の欧州市場が開くと主要株価指数が急落、合わせてユーロも大きく売られる展開となりました。
豪中銀は金利据え置き、一方カナダ中銀は利上げを決定
6月1日には、二つの中央銀行が政策金利を発表しました。まず昼過ぎにRBA(豪中銀)が政策金利据え置きを発表しました。大方の予想通りだったため、このニュースが相場に与えた影響は限定的と考えられます。その一方で、カナダ中銀はこちらも大方の予想通りに0.25%の利上げと、G7諸国の中で初めて金融引き締めを開始しましたが、発表後の声明で追加利上げを示唆したものの、その時期や規模については「国内外の経済状況次第」として言及しなかったため、利上げ発表後のカナダ買いは限定的なものとなりました。
米・雇用統計発表!発表後の為替市場はどう動く!?
今週末の4日(金)午後9時30分、米・雇用統計が発表されます。前月は非農業部門雇用者数が予想(19.0万人)を大幅に上回る好結果(29万人)となりましたが、労働人口が急激に増加したことから失業率は逆に悪化(9.9%)するという結果でした。
前日までリスク回避の動きが急激に強まってクロス円が暴落する動きとなる中での発表でしたが、発表直後こそFX 自動売買売などのトレードでり買いが交錯して大きく動いたものの、結局方向性のない動きとなりました。今回の雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数は51.3万人増、失業率は9.8%です。ただしこの数字は10年に一度実施される国勢調査のために臨時に雇用された分も予想に含まれていることから“表面上の数字ほどのインパクトはない”と考えられます。
為替市場では、依然として市場参加者はユーロ圏の混乱の行方に注目しています。ですから雇用統計の結果が多少予想と違っていても相場への影響は限定的と考えられます。しかし、そうはいっても予想を上回る数字となれば、欧州問題でリスク回避的な流れとなっている市場に明るい材料を提供することになり、リスク回避志向を弱めることとなるでしょう。
非農業部門雇用者数が60万人以上の増加となったり、失業率が9.6%以下となれば、全般的なリスク選好的な動きとなることで、NYダウ上昇、米長期金利上昇、ユーロドル下落、ドル円上昇、豪ドル円上昇となると予想します。